ながら運転(ながらスマホ)の罰則強化

【交通事故Column 40】


道路交通法の改正に伴い、2019年12月1日より「ながら運転」に関する罰則が厳しくなったことをご存知でしょうか?


「ながら運転」には、携帯電話の使用や、カーナビの注視も含まれています。

道路交通法の第71条(運転者の遵守事項)をご紹介します。


第七十一条(運転者の遵守事項) 
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。


最近は街中がスマートフォンユーザーで溢れていて、まるで社会が「歩きスマホ」を認容しているかのような光景が日常化しています。

しかしこれを当たり前と思ってしまうのは恐ろしいことです。自動車ドライバー側からすると、さらに恐ろしいのは、歩行者の「イヤホンで音楽を聴きながら」の「歩きスマホ」です。

まったく自動車の存在に気が付かずに歩行する方々にはヒヤリとしますが、最近、自動車ドライバーの「ながらスマホ」による交通事故も相次いでいるといいます。


そこで、警察庁は「ながら運転」による交通事故を未然に防ぐため、罰則の強化に踏み出しました。


「ながら運転」罰則強化の内容は、違反点数と反則金の引き上げです。

  • 交通の危険:違反点数は2点から6点に増え、即時免許停止、例外なく刑事処分(1年以下の懲役または30万円以下の罰金)となります。
  • 保持:運転中にスマートフォン等を注視もしくは通話したら、違反点数は1点から3点に増え、反則金も普通車で3倍(6,000円から18,000円)に。違反を繰り返すと、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。


図1:携帯電話使用等に係る違反点数や反則金の引き上げと罰則の強化 2019年12月1日施行


運転しながらのスマホやカーナビの注視は、画面に意識が集中してしまうことで、周囲の危険を発見することができず、歩行者との衝突や追突事故など悲惨な交通事故を起こしうる危険な行為です。

もし交通事故被害に遭われたら、弁護士までご相談されることをおすすめします。