歯の欠損による後遺障害!判断基準などは?

【交通事故Column 43】 


交通事故の被害に遭って、歯が抜けたり、折れたりすることがあります。

歩行者vs自動車、二輪車vs自動車の交通事故の場合、歩行者や二輪車は転倒して歯を欠損することが少なくなく、被害者の方から、歯の欠損による後遺障害認定についてご相談を受けることがあります。

この記事では、歯の欠損による後遺障害認定について、簡単に解説したいと思います。


歯の欠損とは

①交通事故で歯がなくなった…事故時に抜けた&歯茎から上の部分の4分の3以上がなくなった

②事故後の治療中に歯がなくなった…治療中に抜けた&歯茎から上の部分の4分の3以上を切り取った


後遺障害の判断基準

入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの歯科治療を行った結果、治療を行った歯の本数によって判断されます。 この治療は「歯科補綴(ほてつ)」と呼ばれています。


歯の欠損により認定されうる後遺障害

  • 14級2号…歯3本に対して歯科補綴を行った場合
  • 13級5号…歯5本に対して歯科補綴を行った場合
  • 12級3号…歯7本に対して歯科補綴を行った場合 
  • 11級4号…歯10本に対して歯科補綴を行った場合 
  • 10級4号…歯14本に対して歯科補綴を行った場合 


※ブリッジ治療を行った場合、歯科補綴をした脇の健康な歯も削られるため、後遺障害認定の際には削った歯も本数に入れて判断されます。


歯の欠損により咀嚼・言語の障害がある場合

  • 10級3号…咀嚼機能or言語機能⇒いずれか障害が残った場合
  • 9級6号…咀嚼機能&言語機能⇒両方の障害が残った場合
  • 6級2号…咀嚼機能or言語機能⇒いずれかの著しい障害が残った場合
  • 4級2号…咀嚼機能&言語機能⇒両方の著しい障害が残った場合
  • 3級2号…咀嚼機能or言語機能⇒いずれかの機能を廃した場合
  • 1級2号…咀嚼機能&言語機能⇒両方の機能を廃した場合


障害が残った < 著しい障害が残った < 機能を廃した、の順で障害が重くなります。


咀嚼機能については、それぞれ次のような状態です。

  • 障害が残った=硬いものNG
  • 著しい障害が残った=おかゆ程度はOK
  • 機能を廃した=流動食のみ


言語障害については、それぞれ次のような状態です。

  • 障害が残った=4種類の発音のうち1種類発音できない
  • 著しい障害が残った=4種類の発音のうち2種類発音できない
  • 機能を廃した=4種類の発音のうち3種類発音できない


後遺障害の等級が認定されたら、「後遺障害慰謝料」や「後遺障害による逸失利益」を加害者側に請求することができます。

弁護士に交渉を依頼すれば、裁判基準による算定で請求することができるので、保険会社から示談案を提示されたらご自身で判断せずに、弁護士にご相談されることをおすすめします。

交通事故案件を取り扱う弁護士の多くは無料で相談を受け付けていますし、当弁護士も被害者の方からのご相談は何度でも無料でお受けしております。ぜひお気軽にご利用ください。


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